猫のベースとなる芝居って何だろう

絵本の100ねこを丹念に舞台で展開しても60分にはならないし、あの絵本にかなわない。
二和でやった時は、見開きごとに班に分かれて、エピソードを立体化していった。
王・船乗り・手品師・泥棒・老婆・少女 それぞれの班が5分〜10分の幅でショートショートをつくり、並べた。
人間の歴史的な物を少し盛り込んだが、所詮バラバラな短い話し。つながらない。

二和とは違って少人数での上演となる。10人ぐらいだろうか。
ならばその10人が集まる場があって、互いの登退場、互いの行動で、互いを変えていかなければならない。

ここはいきどまりのたまり場
どうしようもなく未来がなくなった物の集団。
うっかりすると、全員が虚無に陥る。無力感にさいなまされる。
自暴自棄になる。暴れる。泣く。突飛な行動をする。

たとえばある女が
「みんなで一緒になって力を合わせればクイッターからここを守れるの、だから喧嘩しないで、気持ちを荒げないで」
と説得する。
荒くれ者は言う。
「武器を持て、鉄は叩けば剣になる。」
「それじゃあ何もならないの。」

そこに一人の男が来る。
虚無「無駄だ。夢を持つなんて無駄なことだ。人をまとめようなんて意味ないさ。」
夢見「夢を持つことが大切でしょ。」
荒増「そうよあいつらに奪われたくなりりを取り返す夢をもってよ。」
虚無「戦うのか。」
荒増「おう。」
夢見「だめ」

人間と同じだおまえら。にんげん?なんだそれ。
居なくなったやつらさこの星から。おれは奴らに飼われていた。やつらがどんな奴らだったか見るが言い。

いいか俺の心のままにおまえらは動くんだ。かげ。これをかげ。いいか火であぶるからそれを吸うんだ。
鼻を寄せろ。おまえもだ。ほらほら。
みえたか。あれはなんだ。ブタ。何してる。空を飛んでる。あ、水の中に。
いいかしゃべってみろ。おまえは王だ。石を砕き火で焼き鉄を作った。敵を何人も殺したが安らぎはなくなった。
さあ、しゃべってみろ。
お、お、ぉ、おおおおう。俺はおうだあ。
おまえは猫、つまり俺を飼っていた。ここに居ると思え。かわいがれ。
おう、アラー、わしはなんと言うことをしたのか。
戦うのみだ。女を巻き込みつつ、出世欲に駆られた王は傷つく。次から次へ闘い、猫を連れ歩き猫が死ぬ。
寂しい王はなく。
戦いに勝つってなんだ?

俺は一人でいた方が気楽で良い。
海に出た男も居たぜ。
ほらかげ、火であぶるからかげ。見えてきたか、聞こえてきたか、波の音。

こうやってよそから来た男はその場に居る物の幻想をつぶしていく。
火であぶってかぐと薬のせいか、あるいは100万回生き返ったことがかっこよかったからか、ニヒルさが良かったのか
女達はよってきた
ひとり見向きもしない女が居た。



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