2021年5月29日(土)〜6月6日(日) 日暮里d-倉庫に出ました。
劇団鳥獣戯画 創立45周年記念公演第三弾 知念正文・作・演出
ご当地ミュージカル 新潟新発田編
「ハイ、ゑびすホテルです」

稽古当初、作・演出・振付・出演の知念さんの言葉「ここに集まっている方は
それぞれの場で活躍されている方ばかり。でも、この劇に参加する時にはここのリズムでしゃべってほしい。
僕が他の劇団に出る時もその劇団に会わせる様に。」おおむねこんな内容。
 メンバーは実に多様。ジャズシンガー。殺陣師。大道芸人。サンバダンサー。バレエダンサー。
日劇ダンシングチーム。声優。歌手。四児の母。それぞれ大学や専門学校で教えていたり、
ライブハウスでコンサートを開いたりリオのカーニバルでメインだったり、先生だったり。「色々な人が集まっているのがいいんだ。」とさらに続く。
 厳しく言われるのが台詞のリズム。全体のリズムを感じて相手役に台詞を渡してほしい。
例えば「良い眺めだ。」の台詞を「良い眺めだぁ」と伸ばしてはいけない。
気持ちが入って台詞がぐじゅぐじゅになってもいけない。あぁ、とか、あは、など台本に書かれていない息の台詞をつけてもいけない。
ましてや気持ちが入りすぎて身体に力が入って聞きづらい台詞になるなんて下の下だ。

 多種多様な全員の力を爆発させる。冷え冷えとする雪原でブラジルのサンバショー。
大笑いと興奮のジャグリングや一輪車。懐かしい歌。気持ちが歌と踊りに変わる。激しいダンス。
これらが全体のリズムの中に見事にはまっていく。
 私の家族の役割。不幸の塊で首を吊ろうと立派な梁があるホテルにやってきた。
亡霊の出現で一家心中を阻まれ、気持ちを居合わせた宿泊客に吐露する。その直後、雪原で開かれるカーニバルに参加して歌に反応し踊る。
台本読んで、初演のビデオを見て、何故この時に歌や踊りに参加するんだと悩んだ。元々ダンスやっていた等裏設定も考えた。
 でも違った。劇の後半、豪雪に襲われ死が現実となった時、娘の「私、生きたい。」の台詞がある。ここに全てがある。ここに向かって突っ走ればいい。
 カーニバルが始まった時、不幸な娘は強引に踊りの輪の中に誘われ、こわごわ手を差し出す。
不幸な妻は引っ張られ妙ちくりんなサンバを踊る。不幸な夫も押されて踊りの輪に加わる。
が、時々出る周りの人の大声や喧嘩腰の表情におびえる。これで自由になった。
 豪雪でホテルがつぶれそうになった時、現実の恐怖を感じ、家族愛を感じ、生きる事を切望する。
 再び亡霊が現れ、武士に憑依、雪と戦い、九死に一生を得る。そして、お日様のまぶしさの中を出発する。
 面白かった、三ヶ月。こんな機会をいただけて感謝の極地。ほんとうにありがとうございました。

 いつも素敵な写真は山口笑加登場 お願い

豪華夕食 首つり 
不幸な家族です 雪でつぶれる 生きたいのか 助かったよ
出発 
 そしてフィナーレ



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