JSAの筋立て



 38度線がまず説明される。フクロウのまなざし、小屋の中からの銃声。
撃ち合い。男の救出。
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 中立国の捜査官に朝鮮人の父を持つスイス国籍の女性。
 事件は当事者の自白ですでに解かれている。あとはその原因を突き止めろ。
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 韓国側の当事者と、北朝鮮側の当事者、共に陳述書以上はしゃべらない。韓国将校の圧力もある。

 現場検証、韓国側兵士が拉致され、逃げだす時に撃った。残されたスケッチ。射殺された二人の遺体。殺され方が明白になる。一人は2発、一発目では死んでいない。二発目は処刑のポーズで撃たれている。もう一人は死んでからも何発も打ち込まれている。なぜ撃たれ方が違う?
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 同僚の兵士の証言。地雷を踏んだが自分で処理してきたすごい男だ。
 恋人の証言。兄を明るくしてくれた。
 じっと見つめる捜査官に恋人は「私の顔に何かついている?」といいながら熊のぬいぐるみをかぶってぬいぐるみショーに出て行く。笑ってすかっとする。
 男の回想が散発的にはいる。
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 銃弾の数があわない。もう一人誰かいた?

 半年前。イネ科植物の枯れ野の見回り中、男は仲間とはぐれた拍子に地雷に乗ってしまう。犬を連れた北朝鮮兵に捕まるが、逆に信管をはずしてもらって助けてもらう。たばこを吸い口笛を吹き、敵同士の3人は別れる。

帰らずの橋をはさんで歩哨に立つもの同士、男は交流をはかる。夜中ついに、北朝鮮側の小屋に行き「ほんとにきた?!冗談だったのに」でもやがて遊びはじめる。韓国のもう一人の歩哨も仲間に加わる。緊張の中、腕相撲、しりとり、互いの悪口、時々覗く南北に別れている矛盾。南北はこの4人の中で統一された。
北を敵と見なし銃を撃ち込む訓練は続く。デマ?双方の軍が出動、緊張が高まる中、地雷原が花火のように火を吐き続ける。
もう行かないようにしよう。でも誕生日だから。あの日、4人は明け方近くまで靴の磨き方やら誕生日プレゼントやらおならやら楽しんでいたところへ、北の下士官が一人ドアをあけてしまう。

もう一人に対して尋問がはじまると、その一人は飛び降り自殺をはかる。

ドアが開き互いに銃を向け説得し身動きできなくなった時、ラジカセの曲が変わり、一発の銃声が鳴り響き、男は負傷、下士官はうたれ、息をたち、事後策のためにさらに撃ち合い、逃げる。雨の中、わたらずの橋をもどっていく時、両軍の銃撃戦が始まる。

秘密にされたこと。それは4人の密会。互いの立場を全てなくし参加したもの全てが軍法会議ものとなる密会。

捜査官の推理と捜査は進む。生き残った二人を面会させた時、全てを告白しようとした男を殴りつけて北の兄貴は北朝鮮万歳をさけぶ。

捜査官の父は北朝鮮の将校だったことが調べられ捜査官は解雇を宣言される。その任務のぎりぎりでつきとめないことを前提に、捜査官は全てを理解する。誰が誰を殺し誰をなんのためにかばっているのか。けれど死んだものはかえらない。

捜査が終わって男が帰る時、彼は銃をくわえて引き金を引いてしまう。

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