第33回関東高等学校演劇研究大会(水戸会場)
最優秀賞 東京都立江北高校 「オアシス物語〜愛は限りなく」
優秀賞 千葉市立千葉高校 「青木さん家の奥さん」
以上2校が関東大会から全国大会へ
優秀賞 神奈川県立湯河原高校 [アニータ・ロ‐ベルのじゃがいもかあさん
上演順 静岡県立袋井高校 「午後のホリゾント」
静岡県立韮山高校 「僕の時間の深呼吸」
ちょっと辛口メモ。
全体的には粒のそろった作品が5〜6本ほどあり、特にこれが一位といった
ようなものはないものの、まずまずの大会でした。
◎「オアシス物語」(1位)は障害者の働く喫茶店に障害者の人たちが集まってきて、小さな事件が
いろいろと起きていくといった内容です。
ボランティア部と相乗りで養護学校や聾学校と交流があり、ちょっと安っぽいかな
という、音楽やストーリーの欠陥も、音楽にのって手話でおどっていたのが、音が消えても続けるなど、にくいところもいくつか
あって、こちらはヘレン・ケラーの事もあって不勉強をなじられているようで、
納得しました。
◎「青木さん家の奥さん」は、男5人(1人は女の子がやっていました。)が、
酒屋の店員達が、美しい青木さん家の奥さんのところに配達にいきたいわけですが、
息があったパワーで進めていきます。おお、なるほど、というだけの力があるのですが、
途中から少し飽きてきました。審査の成井豊さんが、本物を見たときにはラスト泣けたぞ、
といってたあたりが、かけているのですね。
◎[アニータ・ロ‐ベルのじゃがいもかあさん」セットはお見事でした。
一応作者ですので、脚本の悪いところがそのまま出たという感じで
申し訳なく思いました。上演したのは国立バージョンで65分ぐらいの
ものだと思います。真ん中を削って、地の芝居をきちっとやらないと
うまくいかないでしょう。クライマックスの曲もよくないので、もりあがれなかった。
◎ 「午後のホリゾント」平田オリザさんがみたら、驚喜するかとおもうほど青年団です。
演劇部のリハーサルがたんたんと、役者同士が客を無視して向き合って、しかも
同時にしゃべりだしたり、でも計算されている。平台もってただ待たされている光景が愉快だったり
バトンに吊された巨大なゴリラが、どうしようもなくおかしかったり。
あの手法でもう一つ中身が盛り込めたらもっとおもしろいでしょう。
◎「僕の時間の深呼吸」全自動の芝居の空気をよく1時間の中に、小気味よく入れた。
島次郎さんは、バランスの良い、小道具、衣装、装置とほめていました。
私としては、後ろの竹垣みたいなのが、素材が違うだろとか思っていました。
1時間に納めたとき、後半のせつなさ、が、カットされた感じで、泣けませんでした。
◎「三十年後の私へ」大分大会で作者あべ先生のつくったオリジナルを見ています。
小学校の時に埋めたタイムカプセルを28年後廃校とともに、同級会で、あけてみる
のです。東京サンシャインボーイズの「罠」と同時期にかかれた作品ですが、笑えます。
きれいに、たのしく笑えます。こんなウェルメイドな、シチュエーション劇をさらさらとかく
阿部先生は恐ろしい方です。恋をうち明ける男が若々しく、(女の方はまさに40代に見えました。)
そんなところが、少し安っぽさを感じさせてしまうのかなとか、思いました。
1、期日 平成10年1月17日(土)・18日(日)
2、会場 水戸市民会館ホール
水戸市中央1丁目4番1号店029−224−7521 (常磐線水戸南口から徒歩10分)3、日程
プログラム
17日(土)9:00 開場 9:15〜 9:25 開会式
9:40〜10:40 神奈川県立湯河原高校[アニータ・ロ‐ベルのじゃがいもかあさん」
10:55〜ll:45 茨城県立水戸第二高校「ノスタルヂイ ノスタルヂヤ」
12:00〜13:00 神奈川県立平安高校 「のぞく・はいる・ほる」
(昼食休憩)
13:50〜14:50 山梨県立山梨高校 「終わらない夏一かっぱえびせんの向こうに」
15:05〜l6:05 東京都立江北高校 「オアシス物語〜愛は限りなく」
16:20〜17:20 千葉県立松戸国際高校「常磐線銀河鉄道の夜」
17:35〜18:35 茨城県立水海道第二高校「三十年後の私へ」
18日(日)9:00 開場
9:15〜10:15 静岡県立袋井高校 「午後のホリゾント」
10:30〜11:30 東京都立飛鳥高校 「四十七」
11:45〜12:45 山梨県立身延高校 「シスター.シスター・シスター」
(昼食休憩)
13:35〜14:35 静岡県立韮山高校 「僕の時間の深呼吸」
14:50〜15:50 茨城県立北茨城高校 「ぼくたちの場所」
16:05〜17:05 千葉市立千葉高校 「青木さん家の奥さん」
17:20〜18:20 講評 18:20〜18:50 表彰・閉会式
- 審査員 成井豊 島次郎 新井純 石原哲也 石島崇男
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